クレジットカードの審査に弾かれた経験はありますか?一度も経験がない方にはわからないかもしれませんが、審査に弾かれると「私は信用がないんだ...」「もう二度とカードを持てないのかな...」とマイナスな気持ちが先走ってしまいがちです。
もちろん、審査に弾かれるのはそれなりに理由があるからで、信用がないと判断されたのは間違いありません。しかし、“あと一歩”だったという場合も非常に多いので、諦めるのは早いです。今の時代、クレジットカードは生活に欠かせないものなので、まだ一枚も持っていない方は、審査に受かるように努力していくことが大事です。
では、どのような方がクレジットカードの審査であと一歩の結果になってしまうのでしょうか。そこで今回は、合格、あと一歩、不合格の3つに分け、それぞれの結果になりやすい人の特徴を詳しくみてみることにします。また、あと一歩からの打開策も紹介します。
- 目次 -
- 審査結果が合格になりやすい人の特徴
- 審査結果があと一歩になりやすい人の特徴
- スーパーホワイトの方
- 既に複数のカードを保有している
- 多重申込をした
- キャッシング枠を多く設定した
- 年齢のわりに年収が異常に多い
- 住居形態や住居年数に不安がある
- 架電した際の電話対応が悪い
- 紙面申込の際に字や捺印が乱雑だった
- 大企業に就職した新社会人
- ゴールドカード持ちが一般カードに申し込む
- 無職で預貯金がゼロ
- 審査結果が不合格になりやすい人の特徴
- 過去に支払いの遅れがあった
- 過去に金融事故を起こしている
- 消費者金融やカード会社から借り入れがある
- パートやアルバイトの一人暮らし
- 実績の乏しい小規模の会社にお勤めの方
- 連絡ができる電話番号を持っていない
- 離職後の無職の期間が長い
- 定年退職後の申込
- 審査結果:あと一歩から抜け出す方法
審査結果が合格になりやすい人の特徴
審査結果が合格になりやすい人にはいくつかの特徴があります。審査に合格している多くの方がクリアしている条件をみてみましょう。
クレジットヒストリーを構築できている
カード審査で何を見ているのか、これがわかれば審査合格も見えてきたようなものです。審査では実に様々な項目を見ていくのですが、その中でも重視しているのが「クレジットヒストリー(クレヒス)」です。クレヒスは、過去のクレジットカードやローン契約の利用履歴・返済状況などをまとめたもので、個人の返済能力を判断するための信用情報の一つになっています。クレジットヒストリーがしっかりと構築できている方ほど審査に合格しやすい傾向があります。
クレジットヒストリーはクレジットカードの利用だけでなく、様々なローン契約の返済がしっかりと行われていれば構築できるものです。例えば、自動車購入の際の自動車ローン、住宅購入の際の住宅ローン、結婚式費用のためのブライダルローン、学費のための学資ローン、旅行のためのトラベルローンなども該当します。スマートフォン購入の割賦契約(個別クレジット契約)もまたローン契約の一種となるので、携帯料金の支払いを滞りなく支払っている場合もクレジットヒストリーが構築できていることになります。
過去に支払いの遅れが一切ない
カード審査ではクレジットヒストリーが重視されるわけですが、これは利用金額が多ければ有利になるという話ではありません。大事なのは、利用した金額分を返済期日までにしっかりと返済しているかどうか、つまり、支払いの遅れがないことが審査では有利になってくるのです。事実、過去に支払いの遅れがない方ほど審査に合格しやすい傾向があります。
勤続年数が長い
日本では長らくアメリカのような個人番号(マイナンバー)がなく、信用情報の指標の一つとして「勤続年数」が重視されてきました。勤続年数が長いと安定した収入を得られていると見なされ、信用度が高いと判断されます。この傾向は今でもあまり変わっていません。なので、勤続年数が長ければ長いほど信用度が高いと判断され、審査に合格しやすい傾向があります。
一例として、会社規模1万人以上の大企業の年収400万円の新社会人よりも、会社規模30人以下の中小企業に10年勤続している年収300万円の方のほうが審査では評価されやすいです。勤続年数はときに年収よりも重視される項目になってくる可能性があることを覚えておきたいところです。
雇用形態の評価が高い
クレジットヒストリーをみてやや不安な部分が残ると判断された場合、「雇用形態」をみられます。雇用形態とは、正社員や契約社員、派遣社員、パート、アルバイト、個人事業主といった雇用のされ方を示すものです。雇用形態の評価は、正社員>契約社員>派遣社員>個人事業主>パート>アルバイトの順番で評価されており、正社員であると安定した収入を得ていると見なされ、審査に合格しやすい傾向があります。
正社員以外の場合は、それぞれの雇用形態としての評価と合わせて、勤続年数がどれぐらいなのかが重視されます。例えば、契約社員は正社員よりも評価は低いですが、正社員になって半年と契約社員5年目であれば、契約社員5年目のほうが高く評価される可能性が高いです。つまり、個人事業主やパート、アルバイトであっても勤続年数が長ければ、マイナスの評価には決してならないということです。
年収が500万円以上の方
大前提として、年収は最重視ポイントではありませんが、年収500万円以上あれば、様々なクレジットカードの審査に合格する確率が高くなります。一般的に、年収が500万円以上もあれば消費に回せる金額が多く、返済に困るとも考えにくく、返済能力が高いと判断できるためです。
事実、年収500万円以上あればほとんどのゴールドカードの審査に合格する時代なので、“年収500万円”を一つの指標として覚えておくといいかもしれません。もちろん、一般カードであれば、年収100万円台からでも審査に通るカードもありますので、カードのステータスにこだわりがなければ、年収500万円も必要ないです。そう考えると、やはり年収はさほど大事な指標ではないと言えます。
持ち家に住んでいる
審査では様々な属性を見ていくのですが、その一つに「住居形態」があります。「スコアリングの点数配分(住居形態)」によれば、評価が最も高いのは自己所有の一戸建てでした。家族所有の場合も高い評価を受けます。一戸建てでも分譲マンションでも高い評価となり、審査に合格する可能性が高くなります。
逆に評価が最も低いのは住み込みでした。また、借間や公営住宅、アパートといった住居形態も低い評価を受けることになります。ただし、スコアの最大値と最小値の差はさほど大きくないので、そこまで気にする必要はないでしょう。ただ、次節で解説するように、同一生計の有無が影響を与えることがあるので、次節も一緒にチェックしておきましょう。
独身で両親と一緒に暮らしている有職者
独身は「住居形態」を気にしたほうがいいかもしれません。例えば、家賃5万円のアパートで一人暮らしをしている独身でアルバイターのAさんがいたとします。決して生活ができないわけではないですが、地域によっては車を持たなければならなかったりして、経済的に苦しい生活を強いられる可能性があります。アルバイトは雇用形態的に低く評価されていますし、アパート暮らしも評価が低いので、たとえ問題なく生活ができている場合でも審査に弾かれる可能性があります。
このAさんのパターンの改善策は、実家で両親と一緒に暮らすことです。自己所有・家族所有に関わらず住居形態が持ち家であれば、一気に評価が良くなる可能性があります。実家が賃貸であっても、両親と生計を共にすることでAさんの経済的負担は減る可能性が高いので、そこが審査で有利に働く可能性があります。実際、独身で両親と一緒に暮らしている方は審査に合格しやすい傾向があります。
審査結果があと一歩になりやすい人の特徴
クレジットカードの審査結果は、「合格」か「不合格」かしか知らされません。今日知っておきたいのは、審査に落ちた方の中で“あと一歩”で合格だった方が意外は多いということです。属性が少し違うだけで審査に合格していた可能性があるので、あと一歩で審査に合格していたかもしれない人の特徴に当てはまっていないかチェックしてみましょう。
スーパーホワイトの方
スーパーホワイトとは、過去にクレジットカードやローン契約の利用実績が全くない人のことを言います。カード会社は審査時に過去のクレジットヒストリー(=クレヒス)を信用情報の一つとしてチェックしますので、過去にクレジットカードやローン契約の利用履歴が全くないと返済能力があるかどうかを判断するのが難しくなり、結果的に審査に弾かれることがあります。特に「30歳以下」と「30歳以上」で評価が分かれる傾向があります。
一般的に、30歳になるまでにクレジットカードを作ったり、ローン契約を結ぶ必要性に迫られるものだと考えられているため、30歳までに一度もクレジットカードを作ったことがないorローン契約を結んだことがないとクレヒスは全く構築できず、審査結果があと一歩になってしまう可能性が高いです。
一方で30歳以下、特に20代半ばぐらいまでは属性に不安が残るため、そもそもカード審査に落ちる可能性は高いです。ただ、年齢的にクレジットカードをまだ必要としていない可能性があったとも考えられますので、将来性を見込んで審査に合格する可能性もあります。兎にも角にも、「30歳」が一つの指標になってくることを覚えておきましょう。
既に複数のカードを保有している
現在、クレジットカードを何枚お持ちでしょうか。私たちは一人ひとりに「与信枠」というものが与えられます。与信枠は、一人あたりの利用可能枠の総額を示すもので、属性などから返済能力を加味して想定されますので、一人ひとりでその枠は全く異なります。
例えば、与信枠(利用可能枠)が100万円の方がいたとします。保有しているカードAの限度額が50万円でカードBの限度額が30万円、カードCの限度額が20万円だとしたら、これで与信枠をすべて使い果たしてしまったことになり、次にカードを作ろうとしても新しく枠をとれないので、この場合、審査に弾かれてしまいます。
これを逆に捉えると、使っていないクレジットカードを解約して与信枠にスペースを空けてあげることで、新規にクレジットカードが作れる可能性が出てくるというわけです。そういう意味ではあと一歩というどころか、合格に足を踏み入れていた、ぐらいの表現をしてもおかしくないです。
多重申込をした
私たちのクレジットカードの申込記録は、CICやJICCといった個人信用情報機関に記録されています。申込記録をあえて残すのは、短期間に複数のカードの申込記録があった場合に「お金のやりくりに困っているのでは?」などとカード会社に判断させるためです。つまり、短期間に連続で申し込みがあると審査に弾かれる可能性が高くなるわけです。申込記録は6ヶ月間残るので、一度申し込んだら次回の申し込みまで6ヶ月空けなければなりません。
多重申込は一度に複数のカードに申し込むことを言い、カード会社が嫌う行為となります。2つのカードに申し込み、申込時間にほとんど差が見られない場合、カード会社は他社カードへの申込を確認できない場合があり、多重申込をしたのに審査に通ってしまうことは稀にあるのですが、本来は嫌われる行動で、審査に弾かれる可能性が非常に高くなるので、やるべきではありません。
キャッシング枠を多く設定した
キャッシングとは、クレジットカードを使った現金を借り入れる機能です。実は、カード本体の審査とキャッシングの審査は別物で、キャッシング枠を設定した場合、キャッシングのための審査が必要になるので審査時間が長引く傾向があります。キャッシング枠をつけるにはさらなる信用度の調査が必要になります。
特に注意したいのは、キャッシング枠を多めに設定した場合。キャッシングは現金を借り入れることができるので、当然ながら、その金額に応じた返済能力が求められます。なので、キャッシング枠5万円と50万円ではワケが違うのです。キャッシング枠を多めに設定すると審査がかなり厳しくなってしまい、審査に落ちる可能性が上がります。ただ、キャッシングの審査に落ちてもカード審査に受かる場合はあります。個人的には審査をスムーズに済ませるためにキャッシング枠をゼロにして申し込むのがおすすめです。
年齢のわりに年収が異常に多い
これはとても意外かもしれません。カード審査時には個人の属性を細かく見て、信用度を採点していくわけですが、カード会社によっては“特異性”がないかをチェックしている場合があります。つまり、属性に怪しいところがないかチェックするわけです。
特に怪しまれるのが、年齢のわりに年収が異常に多いというパターンです。例えば、22歳正社員で年収2,000万円←これを妥当な属性だと思えるかと問われたら、たしかに疑ってしまいますよね。新入社員の正社員が年収2,000万円も稼げるわけがありません。ただ、これが22歳個人事業主で年収2,000万円だったら、独立して何らかの事業をしていると考えられるので、ありえなくはないです。それでも、怪しい印象は残ってしまいます。
属性に怪しさがある場合、カード会社から仕事内容について聞かれることがありますので、正しく伝えられないと審査に弾かれてしまう可能性があります。クレジットカードをはじめとした信用契約ではこのようなことは稀に起こるので、高所得者は覚えておきましょう。
住居形態や住居年数に不安がある
勤続年数や雇用形態などに不安がある場合、その他の属性を見ていくことになり、その一つとして「住居形態」や「住居年数」を見られる場合があります。
例えば、年齢が若く、一人暮らしをしている方はどのような評価になると思いますか?年齢が若いことで勤続年数は短いと考えられ、収入もさほど多くない、それでいて一人暮らしをしているわけなので負担は大きく、経済的な余裕はさほどない。その結果、返済能力は低いと判断されてしまい、審査結果に黄色信号が灯ってしまうことになります。学生で寮や住み込みをしている場合は特に低く評価されてしまいます。
逆に高く評価されるのは、住居形態が自己所有または家族所有の持ち家にお住まいの場合です。かつ、居住年数が長ければさらに評価は上がります。しかしながら、住居形態や住居年数はスコアにさほど大きな差を与えるわけではないので、属性によって多少の影響を与える、ぐらいで覚えておくといいでしょう。
架電した際の電話対応が悪い
カード審査には、定性分析と定量分析が使われてきました。定性分析はその人の言葉遣いや人柄から信用度を採点する分析方法で、定量分析は年齢や職業、借り入れの有無といった細かい属性から信用度を採点する分析方法で、最近では定量分析が優先的に採用されています。しかし、未だ定性分析を用いるカード会社はありますので、電話対応が悪かったりすると審査に悪影響を及ぼす可能性があります。電話対応の際は、怒鳴り上げたりせず、言葉遣いに気をつけ、紳士に対応することが求められます。
紙面申込の際に字や捺印が乱雑だった
これも上記と同じく定性分析に関係した話です。「紙面申込」は最近でこそ減ってきていますが、店頭でカードを申し込んだりするときには未だ紙面申込をしなければならないことがあります。紙面申込で特に注意が必要なのは、字や捺印が乱雑にならないようにすることです。定性分析は主観的要素の強い分析方法なので、字が読めないほど乱雑で、捺印が薄かったり何重にも押されていたりすると、審査担当者が審査に弾いてしまう可能性があります。
紙面申込でも店頭申込の場合はその場で書き直しができますが、郵送による紙面申込は書き直しの際に返送&再郵送で時間がかなりかかってしまうので、そういった手間を考えるとウェブ申込が最もおすすめです。ウェブ申込ならミスを即座に修正できますし、定性分析のような主観的要素が少ないので、属性に不安があってもしっかりとプラスの要素が引き出された審査結果が反映されます。
大企業に就職した新社会人
審査に弾かれやすい特殊パターンとして覚えておきたいのが、この事例です。通常、大企業の場合は従業員や会社規模が大きくなるため、スコアリングで高く評価される傾向がありますが、ここでポイントになってくるのが「勤続年数」です。大企業であっても新社会人で勤続年数が数ヶ月程度しか経っていない場合は審査で不利になってしまうことがあります。
ただ、勤続年数がしっかりと構築できれば、大企業であることは大きな武器となってきます。新社会人はまずは1年間お仕事を頑張ってから申し込むことをおすすめします。ただ、勤続年数半年ほどで年収が想定できることから、勤続年数半年で審査に申し込んで合格したという事例もあるので、まずは勤続から半年ほど経ってから申し込んでみるのもいいかもしれません。
ゴールドカード持ちが一般カードに申し込む
カード会社は“不審な行動”を嫌う傾向があります。一例として、ゴールドカード持ちが一般カードに申し込むと審査に弾く場合があります。必ずしもこのような結果になるわけではありませんが、厳しいゴールドカードの審査に通っているのにより審査が甘い一般カードの切り替える必要があるのか、と捉えられてしまうのです。すべてのカード会社がこのような考え方をしているわけではないですが、不審な行動の一例として覚えておくといいでしょう。
無職で預貯金がゼロ
無職はカード審査に落とされるイメージがあるかもしれませんが、実際はそうでもないです。例えば、無職でも実家暮らしなら、両親が返済の肩代わりができる可能性があり、これが審査で有利に働く場合があります。
ただ、無職で一人暮らし、それでいて預貯金がゼロとなると、返済能力に欠けると判断され、審査に弾かれる可能性は高くなります。定年退職後は収入が年金しかなくなりますが、年金は安定継続収入とみなされ、また、預貯金が多いと返済能力があると判断されますので、預貯金はある程度、審査に影響を与える可能性があると覚えておきたいところです。
ちなみにですが、有職者の場合は預貯金はゼロでもそこまで影響は出ません。カード会社が求めるのは、安定収入なので、安定した収入があれば預貯金の有無は審査に影響を与えにくいです。
審査結果が不合格になりやすい人の特徴
クレジットカードの審査は、正確性が年々増していると筆者は感じています。この10年ほどで紙面申込からウェブ申込に取って代わり、人柄で判断する定性分析から細かい属性で判断する定量分析に取って代わったことで、イメージとして10点満点の採点が100点満点の採点に変わり、今まで審査に落ちていた層も審査に受かるようになってきている印象があります。しかし、そんな中でも審査に落ちてしまう方は当然います。では、どういった方が審査で不合格になってしまうのでしょうか。
過去に支払いの遅れがあった
最も大きな審査不合格の原因は、支払いの遅延です。過去にクレジットカードを利用して支払いが遅れてしまった記録が残っていれば、審査で弾かれやすくなる可能性はかなり上がります。一度や二度の遅れはOKと言われていますが、支払いが遅れがちな方は何度も繰り返してしまう傾向があるため、評価を落としやすいです。
もしあなたが友人にお金を貸して返済予定日に返ってこなかったらどう思いますか?友人ならまだ許せる話かもしれませんが、カード会社は顔も知らない私たちの返済を一時的に肩代わりしてくれているわけですから、返済能力がないとわかれば、当然、信用はすぐに低下してしまいます。なので、過去に支払いの遅れを“何度も”繰り返した方は審査に落ちてしまう可能性が非常に高くなってしまうのです。
「クレジットカードはまだ使ったことがないから大丈夫だ」と思ってしまったあなたも既に支払いの遅れをしてしまっている可能性があります。というのは、スマホの割賦契約(個別クレジット契約)でも同じことが言え、携帯料金の滞納を何度も繰り返してしまっている方はカードの審査に落ちやすくなるので、毎月しっかりと返済していかなければなりません。支払いの遅れについては、クレジット・ローン契約全般に関係した話です。
過去に金融事故を起こしている
前節の結果として、金融事故を過去に起こしてしまった方は、今後、長期間カードを作るのが難しくなってしまいます。クレジットカードにおける金融事故とは、CICやJICCといった個人信用情報機関に長期延滞の記録が残ってしまうことを言います。「ブラックリストに載る」と表現されることが多いです。カード会社はブラックリストという言葉は使いませんが、そのようなものは実際に存在します。
個人信用情報機関に情報開示請求を行うことで、過去の金融事故の有無をチェックすることができます。CICの場合、開示報告書に「A」と記載される月が3ヶ月以上続くとブラックリストに載る可能性が高くなります。「A」は未入金を表すもので、CICでは61日以上または3ヶ月以上の延滞があると「異動」と記され、これがブラックリストに載ったことを意味します。CICもJICCも、3ヶ月以上の延滞があるとその記録は完済日から数えて5年間消えないため、その5年間はカードの審査に落ちる可能性が非常に高くなります。金融事故は最も評価を下げる原因となることを覚えておきましょう。
消費者金融やカード会社から借り入れがある
カード審査では様々な情報(属性)を基に信用度を採点していくことになりますが、大きなマイナス採点になってしまうのが「借り入れ」です。特に評価を下げるのが、消費者金融やカード会社から借り入れがある場合です。アイフルやプロミスといった消費者金融からATMやCDで現金の借り入れが可能で、カード会社からもキャッシングという形で現金の借り入れが可能です。たとえ少額であっても評価を大きく下げる原因になってしまうので、利用しないのが最も賢明です。
ただし、銀行からの借り入れはさほど影響はないです。銀行のローン商品には住宅ローンや自動車ローン、学資ローン、ブライダルローンがあり、これらは誰でも利用する可能性があるものだからです。そもそも銀行のローンは審査が厳しいため、審査をクリアできるほどの属性があることに自信を持ってもいいぐらいです。
「スコアリングの点数配分(借入状況)」をみてもわかるように、銀行から400万円借り入れた場合とカード会社・消費者金融から10万円借り入れた場合とでは、後者のほうが評価を下げています。しかも、かなり大きな低評価となります。もし、現時点で借り入れがある場合は早期に完済することを第一に考えていきましょう。
パートやアルバイトの一人暮らし
パートやアルバイトで正社員ほどの収入を得ることは難しいです。パート・アルバイトで一人暮らしをしていると、収入に占める固定費の支出が多く経済的負担が大きいため、返済能力に欠けると判断されがちです。一言でアルバイトと言っても、週1しか出勤していない方と週5で出勤している方では収入が全く違いますよね。収入が多ければ審査に合格するわけではありませんが、収入が少なすぎると審査で不利になるのは変わりないので、このあたりがパートやアルバイトの評価を下げる原因になってしまいます。
ただ、パートやアルバイトを否定しているわけではありません。パートやアルバイトでも勤続年数が長ければ、安定収入があると判断され、審査に合格する可能性は十分に出てきます。パートやアルバイトは勤続年数が最低1年、理想としては3年以上になってくると安心材料になってきます。
実績の乏しい小規模の会社にお勤めの方
カード審査で特に厳しい審査を受ける可能性があるのがベンチャー企業にお勤めの方です。ベンチャー企業は今後の成長さえ見込めるものの、現時点で会社としての実績は乏しく、それどころかゼロに近いため、職業としての評価が審査に有利に働く可能性は極めて低いです。
ただ、筆者は個人的にベンチャー企業は応援したい派の人間です。新しいビジネスモデルを構築することは夢があり、また、少数精鋭で重要なポストを任せられる可能性があり、人としての成長を見込める可能性が非常に高いからです。チャレンジ精神を持っている方は今後もベンチャー企業でやっていくことをおすすめします。
連絡ができる電話番号を持っていない
実はカード審査において電話番号があるかないかで評価が変わります。携帯電話はもちろんのこと、自宅の電話番号があるとそれだけで有利になることがあります。これは、返済の遅れがあった際の連絡手段として複数の連絡手段があるほうが催促しやすいためです。自宅の電話番号は頻繁に変えるものではないので、携帯電話よりも連絡をとりやすい傾向があります。
ただ、昨今は格安SIM(MVNO)の台頭により、データ専用SIMが登場し、携帯電話の番号さえ持たない方も稀にいます。そもそも、電話番号がないとクレジットカードが作れない場合もありますので、やはり、携帯電話だけでも番号は確保しておきたいところです。050からはじまるIP電話を取得することが可能ですが、IP電話だと登録ができないカード会社もありますので、090・080・070からはじまる番号を所有しておくのが今のところはベストな選択肢となります。
離職後の無職の期間が長い
転職は誰でもするものなので、転職後の一定期間の離職期間は審査に悪影響は及ぼしませんが、離職後、無職の期間が長く続いていると審査に悪影響を及ぼすことになります。雇用保険によって、離職後3ヶ月間は失業手当を貰うことができますが、それ以降は無収入になってしまいます。無収入であると返済能力に欠けると見なされ、新規のカード審査に落ちる可能性が高くなってしまいます。
理想は、離職後3ヶ月以内に転職することです。予め期間を設定することでモチベーションを下げずに転職活動を行うことができますし、転職に成功している方は3ヶ月以内に転職先を見つけている傾向があるため、期間を設定することは今後の生活を考える上でも大切なことです。
定年退職後の申込
一般的に年齢を重ねると勤続年数が長くなり、収入が増えるため、カード審査では有利な材料が増えてくるわけですが、定年退職をするとこれらの積み上げてきたものは武器として使えなくなってしまいます。定年退職後は年金受給者になりますので、評価はどうしても下がってしまいます。残念ではありますが、アルバイトよりも下の評価を受ける場合もあります。
ただ、年金は安定収入があると認められますので、年金受給者でも新規にクレジットカードを作ることは可能です。それでも以前よりは審査に弾かれやすい傾向が強くなるので、できるだけ審査難易度の低いカードに申し込むことをおすすめします。それか、働いていた頃に作ったクレジットカードをずっと使い続けるようにしたほうがいいです。息子さんや娘さんと一緒に生活をされている方は返済の肩代わりができる人が周りにいると判断されるので、審査に通りやすくなることがあります。
審査結果:あと一歩から抜け出す方法
では、審査結果があと一歩だった方はこれからどのように過ごしていけばいいのでしょう。あと一歩から抜け出すのは実はそんなに難しいことではありません。意外な方法で抜け出すことができるので、できるものがあれば、やってみましょう。
クレジットヒストリーを構築すること
クレジットヒストリーとは過去のクレジットカードやローン契約の利用実績のことです。カード会社は過去のクレジットカード・ローン契約の利用履歴をチェックし、その人に返済能力があるのか判断します。ということは、過去にクレジット履歴がない人(=スーパーホワイトと呼びます)は審査に不利になる可能性があるということ。
なので、クレジットカードをお持ちの方は、これからは積極的に使うようにしましょう。クレジットカードは少額の利用でも毎月しっかりと返済できていれば、クレジットヒストリーを構築できますので、月々の固定費をカード決済にして毎月使うようにすれば、半年程度で構築されてきます。
「いや、そもそもクレジットカードがないんだけど...」という方も安心してください。クレジットカードがない方は、ショッピングローンを利用することでクレジットヒストリーを構築することができます。例えば、3万円の電子レンジを購入する際にショッピングローンを利用するとします。お支払い回数を10回にすれば、月3,000円ちょっとの負担で済むので、これなら月々の携帯料金よりも負担がかからず、クレジットヒストリーを構築できます。
ショッピングローンを利用するならビックカメラがおすすめです。ビックカメラではショッピングローンが24回まで金利・手数料が無料(購入金額が15,000円以上)になっています(2020年時点)ので、24回の分割払いにすれば、ほとんど経済的負担を感じず、それでいながらクレジットヒストリーもしっかりと構築することができます。実際のところは半年ほどでクレジットヒストリーが構築されるので、6回払いで購入できる範囲のものを選ぶのがおすすめです。
勤続年数を構築すること
簡単にできることではないのですが、昨今の審査システムにおいて「勤続年数」は変わらず重視されていますので、今後もしっかりと構築していきたいものです。そのためにも、充実した職場環境を選ぶことは大事です。今の職場で長くやっていけそうにない、そう感じているのであれば、転職を考えたほうがいいでしょう。しかし、転職は積み重ねた勤続年数がゼロからの再スタートになりますので、クレジットカードを1枚もお持ちでない方は今のうちにカードの申込をしておき、転職に備えたほうがいいです。
雇用形態を改善させること
カード審査において、「雇用形態」はスコアの差が大きいので重視される項目と思ったほうがいいです。目指すべきは、正社員です。雇用形態は、正社員>契約社員>派遣社員>個人事業主>パート>アルバイトの順で評価されていますので、正社員を目指して転職もしくは正社員登用のために働き続けることは審査結果をより良いものにするための一つの手です。
もちろん、正社員以外であっても勤続年数が長ければ審査に通りやすくなりますが、収入や福利厚生など待遇面で大きな違いが出てきますので、先を見据えるうえで正社員へのステップアップは早ければ早いほど自分のためになってきます。
使用していないカードを解約する
すぐにできる対策としておすすめなのが、使用していないカードを解約することです。先述しましたが、クレジットカードの利用可能枠(与信枠)は、一人ひとりの返済能力に応じて設定されます。例えば、与信枠が100万円でカードAの利用可能枠が50万円、カードBが30万円、カードCが20万円だとすると、これで上限となるので、新規のカードDは作成しにくくなります。
私たちのほとんどは2〜3枚程度のクレジットカードがあれば十分だと感じるはずで。なので、使っていないクレジットカードがあれば、解約したほうがいいです。使用していないクレジットカードを解約することで与信枠の空きが確保され、新規にカードを作りやすくなります。
「自分が何枚カードを持っているかわからない」という方は、個人信用情報機関であるCICに情報開示を行うことで、保有しているカードの枚数を確認することができます。
キャッシング枠を設定しない
クレジットカードにはキャッシングという現金の借り入れ機能があります。キャッシング枠は自分で設定できる場合があり、金額を自己申告で設定し、申込できます。実は、クレジットカードの審査とキャッシングの審査は別物で、キャッシングを設定するとさらに厳しい審査を行う必要が出てきてしまいます。言い換えると、キャッシング枠が不要であれば、キャッシング枠をゼロにすることで、審査に通りやすくなる可能性があるということになります。
どうしてもキャッシング枠が必要であれば5万円ほど設定してもいいですが、設定しないほうが審査には有利になるので、全く使用しない場合は設定しないことをおすすめします。キャッシングの利用層の中には返済不能に陥る層が一定数いることから審査が厳しく行われています。ただし、キャッシングの審査に落ちてもカード本体の審査には通ってクレジットカードが発行される場合はあります。
借り入れを完済する
借り入れをしていると審査に落ちる可能性が非常に高くなります。特に注意したいのは、カード会社・信販会社・消費者金融から借り入れがある場合です。いずれもキャッシングという形で現金を借り入れることが可能ですが、借り入れは審査時に大きなネガティブ要素になってしまいます。銀行は返済能力の高い人にしか融資しないので、銀行からの借り入れ(例:住宅ローンや自動車ローン)はカード審査にさほど影響を与えません。
なぜ、カード会社・信販会社・消費者金融からの借り入れが審査で不利に働くのかは冷静に考えれば誰でもわかります。基本的にこれらの借り入れ先から現金を借り入れる層は、お金に困っている層=お金の管理が上手にできない層=返済能力が低いと判断されてしまうのです。カード会社は格安の手数料で返済の肩代わり業務を行っているため、返済されない状態が長引くと経営が悪化してしまいます。それなら最初からそういった一定層を審査に落としたほうが経営に困らなくなるわけです。
審査が甘いクレジットカードを狙う
審査結果があと一歩だった方に非常に多いのが、狙うカードを間違えているというパターンです。正直なところ、クレジットカードはポイントや保険の補償内容ぐらいしか各券種に違いはなく、同じようなクオリティーのカードでも審査難易度が異なっていたりするので、カードAの審査は不合格だったが、実は同じクオリティーのカードBに申し込んでいたら合格していた可能性があったかもしれないのです。
では、審査が甘いかどうかはどのようにして見極めるのでしょうか。答えは簡単です。信販系または流通系のカード会社のカードを選べばいいのです。系統は他に銀行系や外資系などがありますが、どちらも審査が厳しいので、属性に不安が残る方にはおすすめできません。
筆者が個人的におすすめしたいのが「セディナカードJiyu!da!」です。セディナカードJiyu!da!は、発行元が信販系のセディナですが、スーパーやコンビニとの連携が強く流通系も兼ねており、さらにIBISと呼ばれる独自の審査システムを採用しているので審査が甘いクレジットカードとしてとても人気です。リボ払い専用カードですが、設定で一括返済に変更できるので普通のクレジットカードと同じように利用できます。