クレジットカードを保有している方、保有していない方、両者が最も気にかけているのは「不正利用」ではないでしょうか。特にクレジットカードを保有していない方は、不正利用をすごく恐れている印象があります。
たしかに不正利用されることはすごく怖いことです。見ず知らずの人に自分のクレジットカードを勝手に使われ、そのうえ、請求までされてしまったら、と考えると、怖くてもう使えなくなってしまうかもしれません。
しかし、そうしたリスクがあるのにも関わらず、筆者をはじめとしてクレジットカードを使うのをやめない方は多いです。それは不正利用への対策を自分自身でしっかりと行っているからです。では、どのような対策が効果的なのでしょうか。情強が実践するクレジットカードの不正利用の対策術を伝授します。
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クレジットカードの不正利用の特徴
クレジットカードの不正利用の対策を知る前に、まず、近年の不正利用の特徴について知っておく必要があります。一昔前は、スキミングと呼ばれる、磁気データを読み取り偽造カードを作って不正利用を行う犯罪が多かったのですが、近年はスキミングの他にも様々なタイプの不正利用パターンが見られるようになってきています。
特に被害が多いのが、インターネットを介した不正利用です。10〜15年ほど前までは、クレジットカードを実店舗で使うのが主流だったのですが、近年はどちらかといえば、ネットショッピングで使うのが主流になっています。それがゆえ、不正利用の被害も実店舗からインターネットへとシフトしている傾向が強く見られるのです。
「ネットショッピングに欠かせないから」という理由でクレジットカードを作るユーザーが多いように、ユーザーも実店舗よりネットショッピングでの利用頻度が高くなっているため、犯罪集団もそうした動きに追随するように、インターネットを介した不正利用を行うようになってきています。
事実、実店舗でクレジットカードを不正利用する場合、防犯カメラなどから犯人を特定しやすいので、限られたシーンでしか不正利用できませんでしたが、インターネットを介した不正利用は防犯カメラすらないわけですから、誰でも不正利用できてしまう、まさにクレジットカード決済の弱点をついた犯行が現在進行形で行われているのです。
不正利用に合わない10つの対策術
「不正利用は防ぎようがない」とよく言ったものですが、果たして本当にそうでしょうか。結論からいえば、これは間違いです。一人ひとりがしっかりと対策を行うことで不正利用の被害に遭う確率は下げられます。100%不正利用されないとは言い切れませんが、1%でも不正利用される確率を下げる方法をここでは伝授していきます。
自分以外の人に使わせない
最も簡単な対策は、自分以外の人に使わせないことです。「それって当たり前じゃない?」なんて思うかもしれませんが、例えば、親族に「これを買いたいんだけど限度額がいっぱいになったからクレジットカードを貸して。代金はすぐに返すから。」と言われたら、つい貸してしまいませんか?
実は、カード会社は契約者以外が契約者のクレジットカードを使うことを規約違反としています。つまり、クレジットカードはそもそも自分以外の人には使わせていけないのです。しかし、実際には身内に貸したりする方は意外と多かったりします。
テレビなどでよく「若い頃は親のカードで勝手に買い物をしていた」とおっしゃる方がいますが、これも厳密には規約違反となるわけです。規約違反をすると、不正利用に対する補償が認められなくなってしまうため、親族であろうが、自分のクレジットカードは他人に使わせるのはリスクしかありません。
「親族ぐらいは大丈夫でしょ」と思っている方は多いですが、実は不正利用の犯行は身内にかなり多いと言われているため、親族だからといって安心できないのです。
クレジットカード本体を使わせないのはもちろんのこと、カード情報でさえも絶対に教えてはいけません。カード情報さえ入手できれば、クレジットカード本体がなくてもネットショッピングに利用できてしまうからです。
親族にもカード情報を教えてはいけないのですから、友人、それ以外の人ならなおのことです。当たり前のことに感じますが、ついやってしまう方は一定数いますので、再度、認識しておきたいことです。
海外のショッピングサイトは特に気をつける
冒頭で、近年はインターネットを介したものがクレジットカードの不正利用が増えていると説明しました。では、実際にどのようなシーンで不正利用が行っているというと、想像しているとおり、最も多いのはネットショッピングに関連した不正利用です。
ネットショッピングサイトと言っても実に様々ですが、特に気をつけたいのは中国や韓国のショッピングサイトです。
品物の安さに惹かれて中国や韓国のショッピングサイトを利用する方は増えていますが、実際にオーダーしてみたら、品物が届かずに代金だけを騙し取られてしまった、という事例がたくさんあります。商品が届いても、掲載写真のものとは全く異なるクオリティーだった、という事例も多いです。
もちろん、中国や韓国にも優良なショッピングサイトはありますが、残念ながら、日本よりも詐欺を働くショッピングサイトが多い印象は否めません。
実は筆者も、とある中国のショッピングサイトで品物を購入し、クレジットカードで代金を支払ったのに品物が届かなかったことがあります。1,000円以下の買い物だったので、そのときは諦めました。ただ、カード情報を入力したので、その後、しばらくは利用明細を頻繁にチェックし、それでも不安が消えなかったので、結局そのクレジットカードは後日解約することになりました。
海外のネットショッピングサイトを利用する際は、会社概要から会社名や連絡先が架空でないか、日本語表記がおかしくないか、商品が相場よりも極端に安くないか、さらに利用者の口コミなどをチェックして、詐欺を働く会社ではないことを確認してから利用するようにしましょう。
PayPalを使って決済する
前項の続きにもなるのですが、海外でも日本でも初めて利用するネットショッピングサイトは何かと不安に感じるものです。「初めて利用するから代引きにしておこうかな」なんて考えていても、カード決済しか選べない、なんてことはよくあります。実際に近年は、カード決済限定のショッピングサイトが増えてきています。
そこでおすすめしたいのが「PayPal(ペイパル)」を使うことです。PayPalとは、オンライン決済サービスで、安全性が非常に高い決済サービスとして世界中で利用されています。創設者の一人には、革新的な自動車メーカーとして注目されているテスラのCEOであるイーロン・マスクといった世界中の著名な実業家が名を連ねています。
PayPalの仕組みはシンプルで、消費者である私たちはPayPalにカード情報を登録して、PayPalと提携している事業者(ネットショッピングサイト等)との取引を行う形となります。
支払いはPayPalに対して行うため、もし、事業者が詐欺を働いた場合でもPayPal側がきちんと対処・補償してくれるので、初めて利用するネットショッピングサイトでも安心感があります。
PayPalを導入する際に厳しい審査を伴いますので、PayPalを導入している事業者は、導入していない事業者よりも圧倒的に安心感があります。ということは、海外のネットショッピングサイトを利用する際は、PayPalの導入の有無を利用の可否を決める判断材料とするのも一つの手だということです。
ちなみに、筆者はこれまでに何度もPayPalを利用しています。初めて利用したのは、2012年頃だったかと思いますが、それから年に10回前後の頻度で利用していますが、不正利用されたことは一切ありません。為替レートを考慮した決済も可能になっていますので、海外のネットショッピングサイトの利用時には絶大な信頼を寄せています。
キャッシュレス決済サービスと連携させない
QRコード決済を始めとしたキャッシュレス決済サービスは非常に盛り上がりを見せています。中には利用金額の数十%を還元するようなキャンペーンを実施する決済サービスも登場していたりして、ポイント目当てでQRコード決済を利用し始めた方は多いのではないでしょうか。
しかし、ここ最近はキャッシュレス決済サービスでの不正利用が増えています。新しくサービスを開始したキャッシュレス決済サービスは特に犯罪集団に狙われやすい傾向があります。というのは、これまでそういった決済サービスを運用していなかったため、不正利用やセキュリティーに対するノウハウがまだ不十分で、そういったところを犯罪集団は狙ってくるからです。
そのため、運用歴の短いキャッシュレス決済サービスの利用はもう少し様子を見たほうがいいかもしれません。どうしても利用したい場合は、不正利用に対する補償などがしっかりと整備されてからにしたほうがいいでしょう。
例えば、チャージタイプのキャッシュレス決済サービスで現金でチャージしている、なんて場合は不正利用されてもそのチャージした分しか不正に利用される心配がありませんが、クレジットカードと連携していたりすると多額の被害に遭う可能性がありますので、クレジットカードと連携させる際は特に注意が必要です。銀行口座も然りです。
不正利用を察知するために、チャージした際に通知でお知らせするタイプの決済サービスを選ぶのがおすすめです。通知が来ないと見ず知らずの人にチャージされた際に気づけず、そのまま継続的に利用してしまうなんてことになりかねないので注意しなければなりません。
とはいえ、QRコードをはじめとしたキャッシュレス決済サービスは非常に使い勝手がいいので、利用したいと考えている方は多いはずです。“全額補償制度”を整備している決済サービスであれば、比較的安心して利用できるので、全額補償の有無を一つの判断材料としてみてはいかがでしょうか。
利用明細をチェックする習慣を作る
実は、クレジットカードの不正利用の多くは、カード会社が独自に導入している不正利用検知システムによって未然に防止されています。
例えば、普段、ほとんどクレジットカードを利用していない人のクレジットカードが海外で突然利用された、となれば、不正利用検知システムが作動して決済を中止させます。このように、それぞれの行動パターンに合わない利用が見られた際に不正利用検知は作動してくれます。
上記のような極端な例では、不正利用検知システムは高確率で作動しますが、いくら優れた不正利用検知システムでも不正利用を100%検知することはできません。つまり、最終的には自分の目で利用明細をチェックして不正利用がないかチェックすることがとても大事になってくるということです。
しかしながら、利用明細をチェックしない方は多いのが現状です。確認するとしても請求金額ぐらいで、その中身までは確認しない方も多いはずです。高額の不正利用があれば請求金額に違和感を感じることはできるでしょうが、少額の不正利用だった場合、中身をしっかりと見ないと不正利用に気づけないものです。
近年はどのカード会社もウェブ上でいつでも利用明細をチェックできるようになっていますので、最低でも月に1回はチェックするようにしましょう。不正利用を絶対に許さないツワモノにもなってくると、週に1回ないし2〜3回の頻度でチェックする人もいます。
「いや、それは確認しすぎじゃない?」と思うかもしれませんが、それぐらい過敏になってもいいです。不正利用は補償対象となりますが、届け出の期間を過ぎると補償されませんので、利用明細をチェックする習慣を作って不正利用を許さない姿勢を自分で作っていくことが大事です。
怪しいメールのURLにアクセスしない
「あなたのログイン情報が漏洩し、登録した決済情報が危険に晒されている可能性があります。こちらのURLをクリックしてログイン情報と決済情報を変更してください。」このようなメールを受け取ったことがありませんか?送り主が自分が実際に利用しているカード会社を名乗っていたら、思わず信用してしまいそうになります。
このURLにアクセスすると、あなたのログインIDとパスワードを入力する欄が出てきます。そして、確認のためにあなたの氏名やカード番号、セキュリティーコードを入力させます。これらを全て入力してしまったら、誰でも簡単にクレジットカードを不正利用できてしまうのです。
なんの疑いもなく、あなたが自らカード情報を教えてしまっているので、犯罪集団にとっては棚からぼたもち状態なわけです。カード情報だけでも漏らしたくないのに、ウェブサービスのログインIDやパスワードまで教えてしまうと3Dセキュアと呼ばれる認証サービスも突破できてしまい、これでは強固なカード会社の対策も無意味になってしまうのです。
こういった手口を一般的に「フィッシング詐欺」といいます。その名のとおり、あなたの個人情報を釣りあげて不正利用を働こうという手口で、昔からある手口なのですが、詐欺を働く相手がカード会社ではなく契約者=個人となるため、被害がなかなか減らないのが現状です。
怪しいと感じたメールのURLにはアクセスしないことが最も効果的な対策です。しかし、メールの件名にカード会社の名称などが記載されていると信じてしまいがちです。自分では判断できかねる場合は、ウェブ上で「URLチェック」などと検索し、危険なサイトかどうかチェックしてみるといいでしょう。
本当にカード会社からの大事な連絡であれば、何度もメールが来るはずですし、メールを無視していれば電話で連絡が来ます。また、ウェブサービスをログインした際などにアラートが出ますので、多方面から情報を仕入れて精査をすることが大事です。
暗証番号のメモ書きを残さない
多くの方がやってしまいがちなのが、暗証番号をメモ書きして残してしまうことです。もちろん、暗証番号を覚えるためにどこかにメモすることは大事なのですが、例えば、自分の家のパソコン周りに暗証番号を書いた付箋を貼っていたりする方は「私の暗証番号をぜひ使ってください」と言っているようなものですから、すぐにやめなければなりません。
先述したように、クレジットカードの不正利用は実は身内に多いと言われていますので、家の中であっても暗証番号の管理には気を使わなければなりません。また、暗証番号を自分の誕生日にしていたりすると身内はもちろん、周囲にも特定されやすいので、暗証番号の設定の仕方にも注意しなければなりません。
暗証番号は自分にしか知り得ない情報という認識なので、暗証番号が入力されてしまった場合は不正利用の補償の対象外となってしまいます。なので、暗証番号はカード番号やセキュリティーコードと同じか、それ以上に慎重に扱わなければならない情報となってくることを認識しておきましょう。
テーブルチェックのお店を使わない
近年はインターネットを介したクレジットカードの不正利用が急増していますが、もちろん、実店舗でも不正利用は発生しています。実店舗でクレジットカードが不正利用されるパターンはいくつかありますが、注意したいのは、テーブルチェックのお店です。
テーブルチェックとはその名のとおり、テーブルでチェック(会計)を済ませるタイプのお店のことです。高級店などに多いイメージがありますが、手頃なお店でもよく見られます。
テーブルチェックのお店は、現金決済であれば何ら問題ないのですが、カード決済の場合、店員さんがクレジットカードを私たちの目の届かないところまで持っていくわけですから、そこで店員さんがカード情報をメモすれば簡単に不正利用できてしまうリスクを伴います。
「そんなことありえないでしょ!」と思うかもしれません。もちろん、お店の評判に関わることなので基本的にはこのようなことはありえないのですが、過去には同様の不正利用は実際に発生していますので、警戒する必要があります。
では、レジでカード決済すれば安心かといえば、そんなことはありません。例えば、筆者はこんな場面に遭遇したことがあります。それは、レジに並んでいるときに前に並んでいる方が、筆者に丸見えになるような形でクレジットカードを手に持って待っていたのです。一瞬見ただけでも明らかにカード番号が読み取れるほどでしたから、悪意を持った者にカード情報を盗み取られたら不正利用されていてもおかしくない状況でした。
カード情報は自ら漏洩してしまうパターンは実は結構多いので、クレジットカード保有者は常にあらゆるリスクを考慮して行動していかなければなりません。
ニュースをチェックしカード犯罪の傾向を知る
クレジットカードに関する不正利用は、センセーショナルな話題であるためか、テレビニュースやネットニュースでもたびたび取り上げられます。こうしたクレジットカード犯罪に関するニュースにしっかりと目を通すことで近年の犯罪の傾向がわかってきます。
例えば、近年は特にお年寄りがターゲットになりやすい傾向があります。悪質なのは、警察を名乗る犯罪集団が出てきていることです。“給付金”や“還付金”といったワードを使って、カード情報を聞き出すのですが、よく考えてみれば、カード情報を聞き出す必要なんて全くないことがわかります。
しかし、相手が警察を名乗ったり、実際に警察官のコスチュームで自宅に尋ねてくることがあり、これに動揺して騙されてしまうお年寄りの方は非常に多いので、こういった不正利用は後をたたないのが現状です。
基本的なこととして「カード情報を聞き出す=詐欺」だと思ってください。カード情報というのは、あなたとカード会社だけが知る極秘情報なのです。
もし、本当にカード詐欺に遭って警察に頼る場合、警察が直接あなたのカード情報を聞くことはありません。警察はあなたの被害届を受け、カード会社があなたのカード情報を警察に提供して、事件を解決していくのが基本的な流れです。
クレジットカードの不正利用は今後も新しいパターンが必ず出てくるはずなので、しっかりとニュースをチェックし、傾向を把握しておくようにしましょう。クレジットカードを安全に利用するための最低限の行いです。
キャッシングを利用しない
クレジットカードにはキャッシングと呼ばれる、現金を借り入れる機能が付帯している場合があります。クレジットカードを申し込む際にキャッシング枠を付帯するかどうか、選べる場合があり、選んだ方はキャッシング枠が付帯しているかと思いますので、まずはキャッシング枠が付帯しているか否かチェックしてみてください。
キャッシングは、ATMやCD(キャッシュディスペンサー)を使って現金を引き出しますが、ATMやCDにはスキマーと呼ばれるスキミングをするための装置が仕掛けられている場合があります。ATMやCDに仕掛けられたスキマーにカードを挿入することで、あなたのカード情報が読み取られてしまい、それで偽造カードを作られ、不正利用されてしまうリスクがあります。
スキマーは、接触型と非接触の2種類あり、以前は接触型が主流だったため、装置によっては明らかに怪しいと感じとれました。しかし、近年は非接触の登場で見た目的にも非常にわかりにくくなっているため、現在でもスキミングの可能性があることを忘れてはいけません。
不正利用を恐れるのであれば、キャッシングは利用しないのが賢明です。もとより、キャッシングはお金の管理があまり上手ではない人向けの機能といっても過言ではないため、頻繁に利用するのはおすすめできません。キャッシングに頼るような生活からは抜け出さなければならないのです。
結論:信用できないシーンでカード決済しない
ここまで、クレジットカードの不正利用を防ぐ対策術を10個紹介しました。「これだけの対策術があるのなら私も気をつけないと」と心を入れ替えた方と、「こんなに不正利用の可能性があるならカード決済は控えよう」と感じた方の二手に分かれると思います。
クレジットカードにはたしかに不正利用のリスクがありますが、筆者は今後もクレジットカードを利用し続けることを推奨します。その理由はカード決済にはメリットが多いからです。決済をスムーズに済ませられる、そのうえポイントまでもらえる、不正利用されても全額補償の対象となる、これら現金決済にはないメリットを受けられるのがカード決済のメリットです。
大事なのは、信用できないシーンでのカード決済を避けることです。信用できないシーンとは、例えば、PayPalを導入していない海外のショッピングサイトなどです。国内のショッピングサイトでも怪しいところは少なからずあるので、国内外問わず、PayPalが導入されているほうが安心感があります。
また、自分以外にクレジットカードを貸すのはやめましょう。その人のことをどんなに信用していようが、クレジットカードを貸す行為は規約違反となり、不正利用される可能性もゼロではないです。クレジットカードに関していえば、自分以外のことを信用しなくてもいいぐらいです。そもそも、規約違反をすると不正利用されても補償を受けられないので注意が必要です。
他にも、現金決済とカード決済で異なる価格表示をしているお店も避けたほうがいいです。そもそもこの二重価格表示は加盟店規約違反となり、こういったお店では不正利用のリスクも高いと判断できるので、利用すること自体避けるようにしたほうがいいでしょう。
不正利用は全額補償の対象だが100%安心してはいけない
クレジットカードの不正利用に対しては全額補償の対象となりますが、だからといって100%安心しきるのも良くないです。
例えば、暗証番号が入力されて決済されたケース。暗証番号というのは契約者本人にしか知り得ない情報となりますので、他人が暗証番号を使ってカード決済した場合、たとえそれが不正利用であっても落ち度は契約者にあるとみなされ、全額補償の対象外となってしまうことが多いです。
ということは、暗証番号は特定されにくい数字に設定する必要があります。誕生日など身内だけでなく周囲にも特定されやすい番号は設定してはいけないということです。(参照:特定されにくい暗証番号の設定方法)
また、不正利用発覚後の対応も注意が必要です。あるカード会社では「全額補償の対象は、不正利用発生から60日以内」と定めています。このような場合、期日内に届け出をしないと不正利用の補償を受けられないので、不正利用が発覚したらすみやかにカード会社等の関係各所に届け出をする必要があります。ちなみに、60日以内という期間設定は、業界では平均的です。
不正利用に自分自身で気づくためにも、やはり、頻繁に利用明細をチェックすることが必要になってきます。最低でも月に1回はチェックする習慣を作りましょう。多くの不正利用は検知システムによって未然に防止できますが、どうしても漏れは出てきてしまいますので、最終的には自分の目でチェックすることが大事になってきます。
カード決済はとても便利な決済手段ですが、私たちユーザーの防御力もそれなりに求められてきます。しかし、その防御力さえ身に着けてしまえば、カード決済を超える決済方法など存在しないので、今後はより一層警戒心を強め、現金決済にはないメリットを享受していきましょう。