昨今話題のQRコード決済、皆さんは利用していますか?まだ利用したことがない方はすぐにでも利用しはじめたほうがいいかもしれません。というのは、QRコード決済はどれもポイント還元率が良いので、利用しないとむしろ損をしているぐらいの感覚になってきているからです。
クレジットカードや電子マネーを利用している方は多いですが、それらと比較するとQRコード決済の利用者はまだそこまで多くないのが現状です。現状に満足している方が多いのでしょうが、新しいものを取り入れる努力をしてもらいたいところです。
QRコード決済にとっつきにくさを感じている方に注目してもらいたいのが「楽天ペイ」です。その名のとおり、楽天が展開しているQRコード決済なので、楽天会員に登録している方なら気軽に利用しはじめることができます。その特徴に迫ってみましょう。
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楽天ペイとは?
楽天ペイは、日本を代表するIT企業である楽天株式会社の連結子会社である楽天ペイメント株式会社が運営するQRコード決済(スマホ決済)で、2008年10月よりサービスを開始しました。
QRコード決済は2018年頃から急速に普及しはじめましたが、楽天ペイがその10年以上前からサービスを開始していることをご存知なかった方は多いのではないでしょうか。ちなみにスマートフォンによる決済に対応したのは2010年5月でした。
楽天と言えばオンラインショッピングサイトである楽天市場がとても有名です。楽天の発表では2018年6月時点で楽天会員ID数は9,870万を突破したと伝えられていますので、ユーザー数は国内のショッピングサイトでもトップクラスとなっています。楽天会員であれば楽天ペイを誰でも簡単に利用できるため、多くの方が気軽に利用しはじめられる決済サービスとして注目されています。
楽天はインターネットの世界で活躍している企業というイメージが強いかもしれませんが、楽天ペイはインターネット上ではもちろんのこと、実店舗でも利用可能で、利用できる店舗も増えていますので、まだ利用したことがない方も今のうちに導入しておけばまだ乗り遅れずに済みます。
決済方法について
楽天ペイの決済方法は大きく分けて4つあります。
- QR払い
- コード払い
- セルフ
- 楽天Edy払い
「QR払い」は店頭に設置されているQRコードを読み取り、金額を入力して決済を行う方法で、「コード払い」はスマホに表示されたバーコードを店舗側で読み取ってもらい決済を行う方法で、どちらもスマホ決済の中で主流となっている決済方法です。
楽天ペイ独自といえるのが「セルフ」と「楽天Edy払い」です。セルフは、支払うお店を選択し金額を入力して決済を行う方法で、楽天Edy払いは電子マネー決済となりますので楽天Edyを設定したスマホを決済端末にかざすだけで決済が完了します。
なお、楽天Edyを利用するには予め設定が必要です。楽天ペイアプリの「電子マネー」→「楽天Edyをはじめる」から簡単に設定できます。楽天Edyはチャージ型の電子マネーとなるため、事前にチャージが必要です。現金からチャージする場合は楽天Edy加盟店で「Edyのチャージをお願いします」と伝え、クレジットカードからチャージする場合は楽天ペイアプリから「チャージ」→クレジットカードの選択→「設定する」で設定が完了し、翌日正午からチャージできます。
どの決済方法も簡単に決済できるようになっていますが、電子マネーの楽天Edyによる決済が最もスピーディーに決済できます。現金からはもちろん、クレジットカード、さらに楽天ポイントからもEdyにチャージできるので、楽天関連のサービスを頻繁に利用する方はポイントをムダなく利用することができます。
導入方法について
楽天ペイを利用するためにまず楽天会員に登録する必要があります。「楽天会員登録」から数分で登録できるので、まずは会員登録を済ませましょう。
楽天会員登録後、以下の手順でアプリのインストールからご利用設定を完了してください。
基本的にはたったこれだけでのステップで楽天ペイのご利用設定は完了しますので、早い方であれば数分ほどで利用を開始できます。
楽天ペイのメリット
楽天ペイは利用するうえでメリットを享受しやすいQRコード決済といえます。様々なメリットがあるので、メリットを事前に把握してお得に使っていきましょう。
クレカを単体で使うよりポイントが貯まりやすい
楽天ペイの最大のメリットは、ポイントの二重とりができることです。例えば、クレジットカードを単体で使う場合、クレジットカードの利用ポイントしか獲得できませんが、楽天ペイを経由することで、クレジットカードの利用ポイント+楽天ペイ決済分のポイント=2つのポイントを獲得できるので、クレジットカードを単体で利用するよりもお得にポイントを貯めることができます。
楽天関連のサービスはとにかくポイントが貯まりやすいことで知られているので、そこに楽天ペイという様々なシーンで使える決済サービスを導入することで、あらゆるシーンで楽天ポイントを貯めることができるようになり、よりポイントのお得感を感じられるようになります。
さらなる上級テクニックとして、例えば、ローソンで楽天ペイを使う場合、Pontaカードを提示すれば、クレジットカードの利用ポイント+楽天ペイ決済分のポイント+Pontaポイントの3つのポイントを一気に獲得できるので、利用の仕方によってはポイント天国とも言えるぐらいポイントを沢山貯めることができます。
利用できるシーンが“実は”多い
楽天ペイはPayPayほど加盟店数は多くないですが、徐々に加盟店数が増えてきており、今後さらに利用できるシーンが増えて、使いやすくなってくるでしょう。QRコード決済において最も大事なのは加盟店数の多さと言っても過言ではないので、加盟店数が増えることは大歓迎です。
そして、楽天とKDDIは業務提携を行ったことで、au PAY加盟店で楽天ペイが利用できる(逆もしかり)ようになり、以前よりもグンッと利用できるシーンは増えました。
さらに、楽天ペイが他のQRコード決済と一線を画している点として実店舗だけでなくオンライン決済にも利用できるため、実は利用できるシーンはかなり多くなっています。ちなみに、楽天ペイによるオンライン決済は楽天市場はもちろん、その他のオンラインショッピングサイトでも利用できますので、かなり使いやすくなってきています。(参照:楽天ペイオンライン決済加盟店一覧)
決済時間を短縮できる
現金決済からキャッシュレス決済に移行するメリットの一つが決済時間の短縮です。現金決済は、紙幣や小銭を財布から出して、数え、支払い、そしてお釣りをもらい、また財布にしまう、という行為を会計のたびに行わなければならないので、どうしても決済に時間がかかってしまいます。その点、楽天ペイのようなQRコード決済はスマホを出してリーダーにかざす or バーコードを読み取るだけで決済が完了してしまうので、決済時間を大幅に短縮させることができます。
とりわけ、楽天ペイは電子マネーの楽天Edyが利用できるため、他のQRコード決済のように金額を入力する手間も省け、かなりの時間短縮に繋がります。紙幣や小銭、店員さんの手に触れなくて済むようになるため、衛生的にも優れていると言えます。
ただし、実際に楽天ペイを利用するには事前にチャージをしなければならないので、そこに時間を取られることがあります。とはいえ、出かける前にチャージしたり、レジに並んでいるときにクレジットカードでチャージをしたり、いろいろなタイミングでチャージできるので隙間時間を有効活用すれば、現金決済のようなムダな時間は生まれません。
思わぬところで利用できることがある
楽天ペイは比較的導入しやすいQRコード決済サービスであるため、例えば、小規模店舗などキャッシュレス決済に及び腰なところでも導入しやすい一面があり、「え?こんなところで利用できるの?」なんてシーンに遭遇することがよくあります。
実際に筆者はQRコード決済は楽天ペイのみ利用可能というタクシーを見かけたことがあります。クレジットカードが使えるタクシーは以前よりも増えましたが、運転手さんが不慣れだったり、サインが必要だったり、サインが不要でも暗証番号の入力が必要だったりで、せっかくのキャッシュレス決済なのに決済に時間を取られてしまうことが多かったです。特にタクシーに乗るシーンというのは急いでいるときが多いので決済に時間をとられたくないものです。楽天ペイなら一瞬で決済できるので、QRコード決済は実はタクシーが最も向いているのではないか、と思ったぐらいです。
小規模店舗やタクシー以外にも思わぬところで楽天ペイを利用できることがあるかもしれないので、楽天ペイは導入しておいて損はないです。特に日頃から楽天市場を頻繁に利用される方はポイントのうまみもあるので導入しておきたいところです。
店舗側のメリットも実は多い
ここまではユーザーのメリットを見てきましたが、実は楽天ペイは店舗側にとってもメリットが多いのが特徴です。例えば、楽天ペイの導入にあたって専用のリーダーが必要になりますが、楽天ペイの専用リーダーを導入することでクレジットカードや主要な電子マネーも同時に導入することができ、様々なお客さんのニーズに応えられるようになるのです。
他にも、楽天ペイの指定口座を楽天銀行に設定することで、決済の翌日に自動入金が可能になるため、すぐに売上がほしいと思っている事業者にも喜ばれています。しかも、振込手数料も無料となっているため、手数料負担が軽減されるのも嬉しいところです。
翌日自動入金は楽天銀行以外の銀行も指定できますが、その場合は振込手数料が1回330円かかりますので、銀行を指定するよほどの理由がなければ楽天銀行を開設したほうがいいです。自社サービスを利用してもらえることから、翌日自動入金や振込手数料無料といった大盤振る舞いができるのです。
楽天ペイのデメリット
メリットの多い楽天ペイにも残念ながらデメリットはあります。デメリットがあるのは仕方ないことです。事前にデメリットを把握しておけば、いざというときに困らないので、デメリットについてもしっかりと確認しておくようにしましょう。
登録できるクレジットカードが限定されている
楽天ペイはチャージ型のQRコード決済となりますので、決済の前に事前にチャージを行う必要があります。
チャージにクレジットカードを利用できるのですが、楽天ペイではチャージに登録できるクレジットカードは楽天カード(国際ブランドを問わず)または、VISAかMastercardのクレジットカードとなっています。楽天カードしかチャージカードに登録できないと勘違いされる方が多いですが、他社のVISAブランドもしくはmastercardブランドのクレジットカードも登録できます。
ただし、楽天カード以外のJCB、American Express、Diners、Discover、銀聯といった国際ブランドのクレジットカードは登録できないようになっています。日本国内ではJCBブランドのクレジットカードホルダーが多いですので、JCBブランドのクレジットカードが登録できないのはデメリットと言えます。
ただ、他のQRコード決済の場合、その運営会社が発行しているクレジットカードしかチャージカードとして登録できなかったり、そもそもクレジットカードが登録できなかったりする場合もあるので、そういった観点からみれば、楽天ペイは多くのクレカユーザーにとって選択肢となりえる決済ツールと言えるでしょう。
キャンペーンがいまいち
楽天ペイでは実はキャンペーンが頻繁に行われています。しかしながら、キャンペーンが適用される店舗が限定的だったりして、すべてのユーザーがお得感を感じられるわけではないのがデメリットとなっています。
ただし、楽天関連のサービスでもキャンペーンを頻繁に行っていますので、楽天ペイ自体のキャンペーンが実施されていなくても楽天サービスのキャンペーンが実施されていれば、お得にポイントを貯めることができるようになっています。なので、楽天関連のサービスのキャンペーン情報を頻繁にチェックするようにしたほうがいいです。
楽天はショッピングサイトのほか、トラベル、エンタメ、モバイル、保険など様々なサービスを展開していますので、グループ内で楽天ペイを利用するようにすれば、他のQRコード決済よりもポイントを貯めやすくなります。グループ力こそ楽天の最大の強みと言えるかもしれません。
利用金額に上限がある
楽天ペイの1回あたりの上限金額は10万円となっています。この金額で十分なのか不十分なのかはそれぞれの価値観によると思います。
例えば、スーパーやコンビニで日常的に使うのであれば1回あたり10万円もあれば十分といえますが、高級ブランドバッグなど高額商品を購入する場合は10万円を超えることもありますので、これでは10万円という制限があると高額商品の買い物には使えないことになります。クレジットカードなら上限金額が数百万円になることもあるため、高額商品を買う場合はクレジットカードを利用するほうが向いています。
利用金額に上限があるのはチャージ型なので仕方ないと思ってください。チャージ型の場合、不正利用された際に回収が難しくなってしまうため、不正利用された際の補償を考え、あえて10万円という上限に設定しているのだと考えられます。クレジットカードの場合、ショッピング保険が付帯しており、基本的に不正利用された金額分をしっかりと補償してくれますので、高額商品の買い物はクレジットカードを利用するといいでしょう。
楽天ペイしか利用できない環境が出てくる
楽天は自社のプロスポーツチームである東北楽天ゴールデンイーグルスやヴィッセル神戸のホームスタジアムにおいて、スタジアム内外の店舗の決済を完全キャッシュレス化する計画を立てています。
楽天による完全キャッシュレス化が実現すると楽天カードや楽天デビットカード、楽天ペイ、楽天Edy、楽天ポイントカードに決済が限定されるため、特定の施設ではこれ以外の決済が利用できなくなる可能性があります。
完全キャッシュレス化により施設内の様々な店舗で楽天ポイントが貯まるようになるので楽天会員にとっては大きなメリットとなりますが、楽天会員以外は新規に決済ツールを導入しなければならず、メリットでありながらデメリットになってしまいます。
しかしながら、実際に完全キャッシュレス化が実現すれば、決済の手間が省けるだけでなく、決済時間が短縮され、スタジアム内外の混雑具合もかなり緩和されるようになるので、全体としてはデメリットよりもメリットのほうが大きいと予想されています。
楽天ペイをお得に利用できるクレジットカード
楽天ペイというネーミングからも想像できるように楽天ペイをお得に利用できるクレジットカードは「楽天カード」となります。
楽天カードを使って楽天ペイにチャージすることで、楽天ポイントの還元率が1%アップとなります。
「え?たった1%?」と思うかもしれませんがこの差は大きいです。例えば、計10万円分のチャージを楽天カードでするだけで1,000ポイントも獲得できるわけです。楽天ペイは様々な支払いに使えるので、支出のメインを楽天ペイにまとめることができれば、かなりお得にポイントを貯められるようになります。
また、通常は他社のJCBとAmerican Expressブランドのクレジットカードは楽天ペイのチャージカードに登録できませんが、楽天カードのJCBとAmerican Expressはチャージカードに登録可能なので、既にJCBもしくはAmerican Expressで楽天カードを作ってしまっている方もチャージカードとして安心して登録できます。
そもそも楽天カードは楽天市場での利用でお得にポイントを獲得できるクレジットカードなので、楽天市場を頻繁に利用する方にもとてもおすすめです。一般カードである楽天カードは年会費無料となっており、維持費もかからず、審査も厳しくないのでとりあえず保有しておくだけでもおすすめです。
より頻繁に楽天カードを使うようになったら、楽天ゴールドカード(年会費2,000円)や楽天プレミアムカード(年会費1万円)も視野に入れてみてください。楽天カードは最大3.0%還元ですが、ゴールドカードとプレミアムカードは両カードともに還元率が最大5.0%までアップしますのでよりお得にポイントを貯められるようになります。
楽天ペイの将来性について
結論からいえば、楽天ペイの将来は“明るい”と筆者は感じています。その理由は大きく3つあります。
まず、1つ目の理由は、楽天市場のユーザー数の多さです。2018年6月時点で楽天会員ID数は9,870万を突破したと発表しており、今もなおユーザー数を伸ばしています。これだけのユーザー数を誇っていれば、QRコード決済の現王者であるPayPayの牙城を崩せるのではないか、と期待さえしてしまいます。
楽天ペイは楽天会員であれば簡単に利用できるので、楽天会員は他のQRコード決済よりも利用しやすいと感じるはずです。設定が面倒臭かったりするとどうしても敬遠されがちなので、気軽に使えるようになっているのは素晴らしいことです。
2つ目の理由は、楽天とKDDIが業務提携を行ったことです。業務提携により楽天ペイとau PAYの相互利用が可能になり、au PAY加盟店で楽天ペイが利用できるようになったので急速に加盟店数を増え、使いやすくなってきています。利用したくても利用できる店舗が少なければ普及しないので、こういった動きは歓迎すべきでしょう。
3つ目の理由は、キャンペーンへの積極性です。QRコード決済が注目されているのは還元率と言っても過言ではありません。そもそも還元率が高いので利用しているだけでもメリットを享受できますが、楽天ペイは還元キャンペーンに積極的でキャンペーン期間中はよりお得にポイントを貯めることができるので、お得感を実感しやすいQRコード決済となっています。
過去には、特定の加盟店で利用するとポイントが5%の還元を受けられるキャンペーンを実施するなど注目のキャンペーンをこれからも打ち出してくるはずです。PayPayの100億円キャンペーンほど衝撃的なキャンペーンを打ち出せるかはわかりませんが、それでもキャンペーンに積極的なのは間違いないので、今後楽天ペイはより一層注目される存在となるでしょう。