クレジットカードを1枚も持っていないと不便な時代になりました。後払い型の電子マネー付帯のクレジットカードの登場で、電子マネーもチャージの必要がなくなるなど、利便性は高くなるばかりです。クレジットカードの所有層は10代後半〜70代と幅広く、インターネットショッピングの普及や政府によるキャッシュレス決済のポイント還元事業に伴い、契約者は年々増え続けています。
ネットショッピングもスマホでカード決済という形が一般的になっていますよね。さらに、Apple Payの登場で、実店舗でもスマホ一つで決済が可能になりました。今後、さらに便利になることが予想されます。
クレジットカードの審査には甘いところ、厳しいところがあるわけですが、安定した収入があれば、基本的にはどのカードでも審査に通る可能性があります。(※支払いの延滞や消費者金融からの借り入れがないのが大前提)。一方で、安定した収入がない方は、審査をスムーズに通過するのが難しい傾向が未だ残っています。
安定した収入がない方とは、一般的にパート・アルバイト、個人事業主、専業主婦、学生、無職の方を指します。
クレジットカードというのは、支払いの建て替え=一時的に借金をするようなものなので、利用した金額分を支払える返済能力が求められます。人によっては、クレジットカードを持つとつい使いすぎてしまったりすることもありますから、そういう意味では、収入が安定していないと審査に通りにくくなるのは当然のことといえます。
それでも、インターネットが欠かせない現代において、クレジットカードを1枚も持っていないのは不便です。そういった方でも所有できるように、審査が甘いクレジットカードが少しずつ増えてきています。ただ、審査が甘いからと言って必ずしも審査に通過・合格できるとは限りません。その理由はいくつかあります。
審査基準の最低ラインに達していますか?
審査には、当然ながら、審査通過の最低ラインとなる基準があります。審査通過の基準として、収入をはじめ、雇用形態や勤続年数、住居形態や居住年数など様々な属性から、審査の可否を判断していきます。
極端な話ですが、いくら審査が甘いといっても、無職で収入がゼロ・消費者金融から借り入れがあるとなれば、審査に通る可能性は限りなく低くなります。ただ、近年は、年収100万円台から作れるカードが登場していますし、配偶者や親の属性次第では収入のない専業主婦や学生でも作れるカードも登場するなど、安定した収入がない層でもクレジットカードを持てるようになってきているのが現状です。
正社員は収入が安定していて、審査に有利と言われがちですが、例えば、勤続年数が半年にも満たないとなれば、信用の問題で審査で弾かれる可能性があります。それならパート・アルバイトで勤続年数が5年以上あるほうが信用度は高いといえるでしょう。
審査通過の最低ラインは各社で異なり、断言できるものではありませんが、各社、スコアリングシステムという採点システムを採用しており、どのぐらいのスコアを獲得できれば審査に通過できるのか、大体の目安を知ることができます。詳しくは、参照をご覧ください。
参照:スコアリングシステムの点数配分の詳細
申込手続きで不備・間違いはありませんか?
申込方法には色々な方法があって、最近でこそ、ウェブからの申し込みが一般的になっていますが、昔は書面による手続きが一般的でした。今でも、店頭で申し込むときには書面手続きをする場合があります。
書面での手続きでけっこう多かったのが、記入の不備や間違いでした。信用に関わることなので、小さな不備・間違いが審査不合格の原因となることがあります。例えば、携帯の電話番号が間違っていて本人確認がとれなかったら、それだけで審査に落ちる可能性が出てしまったりします。不備・間違いを避けるためにも、入力ミスを即座に知らせてくれるウェブでの手続きがおすすめです。
また、ウェブからの申込だと、新規入会キャンペーンで入会ポイントをもらえたりすることもあります。近年は、ウェブ上で利用履歴を確認できるようにウェブサービスが拡充しており、結局、それらの利用のためにアカウントを作ることになりますので、それなら最初からウェブから申し込みをしたほうが効率が良かったりします。
参照:初めての方のためのクレジットカードの作り方
過去に支払いの遅延・滞納はありませんでしたか?
かなり重要になるのが、支払いの遅延・滞納問題です。クレジットカードは、支払いの建て替え=一時的に借金をする要素がありますので、遅延や滞納は信用問題に大きく傷をつけます。
例えば、信販・カード会社や消費者金融からの借り入れがあって返済が滞っていたり、割賦契約した携帯電話の支払いを何ヶ月も滞納した事実があると、ブラックリスト入りしている可能性があり、審査不合格となる可能性が非常に高いです。
“61日以上または3ヶ月以上”の返済の遅れがあると、CICなどの信用情報機関では「異動」と記され、これが「延滞」があった事実となります。いわゆるブラックリストに載るということです。
延滞情報は、完済しても5〜10年の間、信用情報機関の記録に残されますので、注意しなければなりません。逆に言うと、過去に延滞をしてしまったせいでクレジットカードを諦めている方は、完済していれば5〜10年でその情報は消えていて、もう一度クレジットカードを作る権利が復活しているということです。
クレジットカードを既に複数枚、所有していませんか?
クレジットカードには、「与信枠」というものがあります。その名のとおり、与えられた信用の枠のことで、その方の返済能力によって決まります。Aさんは100万円で、Bさんは200万円、Cさんは300万円といったようにそれぞれ異なります。
例えば、Aさんは100万円なので、1枚目のクレジットカードの利用可能枠が60万円、2枚目が40万円だとしたら、これですでに与信枠は上限の100万円となります。ここでさらに新規にカードを作成しようとすれば、返済能力以上に利用できる可能性があるため、これ以上カードを作ることができなくなります。
与信枠の上限を超えている場合は、新規に作成できませんが、もし利用していないカードがあれば、解約してからなら、新規に作成することができます。言い換えると、新しいクレジットカードが欲しいなら、使っていないカードを解約したほうが審査に受かりやすくなる可能性がある、とも言えます。
解約が面倒だと思ってそのままにしている方は結構多いですが、使わないなら絶対に解約したほうがいいです。解約は電話1本で10分もかからずにできますし、昔みたいに強引に引き止められることもなく気軽に解約できるようになっているため、面倒だと思って解約していない方はいま一度やってみてください。(参照:
クレジットカードの解約手順)
審査が厳しいクレジットカードを選んでいませんか?
現在、日本には数百券種のクレジットカードがあります。筆者のようにクレジットカードが大好きな人間でも、数百券種すべてを把握するのは難しいです。今この瞬間にも新しいクレジットカードは誕生している可能性だってあるわけです。
ここで知っておきたいのは、クレジットカードによって審査難易度が全く異なるということです。一つとして同じ審査難易度のクレジットカードはありません。クレジットカードAは審査難易度が低いが、クレジットカードBは審査難易度が高い、この場合、クレジットカードAを選んだほうが審査に通過しやすくなるのは誰でもわかりますよね。
審査難易度を特に意識せずにクレジットカードに申し込んで審査に落ちてしまって嘆いている方は実は意外と多いです。審査に落ちる原因は様々ですが、総じて言えるのはそのクレジットカードの審査に通る属性を満たしていなかったということです。審査が厳しいクレジットカードに自ら挑んでしまっただけ、という方が多いわけです。
一般的に、国際ブランドが独自に発行する「プロパーカード」や銀行と提携して発行される「銀行系カード」は審査が厳しい傾向があるので、属性に不安があるor自信がない方は避けるのが賢明です。対して、信販会社が発行する「信販系カード」やデパートやスーパーなどの流通業者と提携して発行される「流通系カード」、消費者金融系の会社から発行される「消費者金融系カード」は審査が甘い傾向があるので、こちらを選んだ方が審査に通過しやすいです。
カードの多重申込をしていませんか?
多重申込とは、複数のクレジットカードを一緒に申し込むことです。CICやJICCなどの個人信用情報機関には、私たちがクレジットカードを申し込んだ際の申込記録が残されていますので、多重申込をした記録が残っていると、カード会社は「この方はお金のやりくりに困っているのでは?」「返済能力が乏しいかもしれない」などと判断してしまい、審査で不利になる可能性が出てきてしまいます。
特別な事情がない限り、クレジットカードの申込は1社に絞るべきです。中には2〜3社同時に申し込んで審査に通過した事例はありますが、特殊な事例ですべての方に当てはまるわけではないので、とてもじゃないですが得策とはいえません。
ちなみに、クレジットカードの申込記録は6ヶ月で消えるので、次回申し込むときは前回の審査から6ヶ月ほど期間を空けてからにしたほうがいいです。言い換えると、前回クレジットカードの審査を受けてから6ヶ月間は他のクレジットカードを申し込んでも審査に落ちる可能性が高いので注意が必要です。
前回審査に落ちたクレジットカードに再度申し込んでいませんか?
過去に何度かクレジットカードに申し込んで審査に落ち続けている方の傾向として、同じクレジットカードに何度も申し込んでいるパターンがあります。「それっていけないこと?」「だってそのカードが欲しいんだもん」という意見がよく聞かれますが、実はこれが問題の引き金となっている可能性があります。
まず、クレジットカードの審査に落ちることは誰にでもあるということを知っておいてもらいたいです。例えば、勤続年数15年以上・年収400万円で過去に金融事故をしたことがなくゴールドカードを保有している方でも、世間で審査が甘いと言われているクレジットカードに落ちたりすることがあります。一般的にはこの方は誰が見ても属性のいい方に分類できますよね。
何がいいたいのかと言うと、どんな属性が良くてもクレジットカードとの相性が悪いと審査に通らないことがあるということです。ありえないと思うかもしれませんが、ありえる話なのです。実際に筆者も、決して審査が厳しいわけではないとあるクレジットカードの審査に5〜6回申し込んで未だに受からないです(笑)。これはもう相性が悪いとしか言いようがありません。
相性が悪いだけで審査に落ちることはよくあることなので、もし2〜3回同じクレジットカードに申し込んで審査に落ち続けている場合は違うクレジットカードに焦点をあわせたほうがいいです。相性が悪いクレジットカードはこれから何度申し込んでも落ち続ける可能性があるので、そうなるとただの時間の無駄です。
スーパーホワイトではありませんか?
スーパーホワイトとは、過去にクレジットカードやローンの利用履歴が一切ない状態をいいます。
クレジットカードやローンを利用すると、クレジットヒストリー(クレジットの利用実績のことでクレヒスと略称される)を築くことができ、返済能力の判断材料となり、これが審査においてプラスに働く場合があります。これがスーパーホワイトだとクレヒスが構築されていないため、審査でプラスに働くことはありません。
一般的に、クレジットカードやローン契約は10代後半〜30代前半にかけて必要性を感じるものだと考えられており、30〜40代になってもクレジットカードを所有せず、クレヒスを構築できていないと、「クレジットカードを持てない特別な理由があった?」「計画的に利用できるのか懐疑的だ」と判断される傾向があるため、“30歳を超えてスーパーホワイトだと審査で不利になる”とよく言われるのです。
しかし、実際には、30歳を超えてスーパーホワイトの方でもクレジットカードを持つことはできます。一刻も早くスーパーホワイトから脱出したいのであれば、割賦契約した携帯料金を毎月しっかりと支払う、少額のショッピングローンを利用する、などしてクレヒスを構築していくといいです。
高還元率や入会ポイント狙いでクレジットカードを作るのもありですが、スーパーホワイトの方は審査が甘いクレジットカードを狙い撃ちするなどして、審査通過率を高めることを第一に考えていきましょう。
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