結論からいうと、主婦でもクレジットカードを作れます!主婦の方は属性に不安が残ってしまうため、会社員などと比較するとどうしても審査通過率は低くなりがちです。ただ、実際に審査に通っている方が一定数いるのも事実ですから、諦めるのは早いです。
昨今はクレジットカードが欠かせない時代になってきています。ネットショッピングだけでなく、税金や公金の支払いにも使えますので、賢く使うことによって生活を豊かにしてくれます。最近では年会費無料のクレジットカードでも保険が付帯されているものが増えるなど、決済だけに留まらない進化を遂げています。今こそ、主婦の方はクレジットカードを作るチャンスです!
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専業主婦と兼業主婦で評価が違う
まず知っておきたいのは「主婦」の定義です。一言で主婦と括られることが多いですが、大きくは2パターンに分けられます。一つは職には就かず家事をメインにこなす「専業主婦」、もう一つは家事の傍ら職に就き収入を得ている「兼業主婦」です。この2つの属性では全く評価が違ってきます。
クレジットカードの審査で評価が上なのは、どちらかといえば兼業主婦です。というのも、クレジットカードの入会条件に“安定継続収入がある”と記載されていることが多いからです。主婦は配偶者が返済の肩代わりをすることが可能になりますが、それでも本人に安定した収入があるほうが評価は高くなります。どんな属性でも、職に就いているということは大きな武器となってくるのです。
では、専業主婦は圧倒的に不利になってしまうのか、と言われると決してそうではありません。先述したように主婦の方は配偶者が返済の肩代わりをできることから、主婦として審査に申し出た場合、主に配偶者の属性を見ることになります。配偶者の属性が審査基準を突破していれば、本人が無職で無収入であっても審査に通ることがあります。
兼業主婦の平均年収の実態
兼業主婦の平均年収って気になりますよね。厚生労働省が発表した「就業形態別月間現金給与額(平成28年分)」によれば、パートタイム労働者の現金給与総額の平均は95,226円(年間約114万円)でした。これはあくまでパートタイム労働者“全体”の給与総額の平均なので、拘束時間に縛りがある兼業主婦の給与額はもう少し低くなると予想できます。
拘束時間の縛りを気にしない兼業主婦であれば、さらに稼ぐことは可能ですが、「パート収入の壁」の問題が生じていることを皆さんもご存知かと思います。パート収入の壁は、簡単に説明すると、収入が多くなるとその分税金の支払いが増えるので、故意に収入を抑えるようとすることです。多くの兼業主婦がこの問題を抱えています。
具体的には、年収100万円以上で住民税、年収103万円以上で所得税がかかってきます。また、年収106万円以上で配偶者の社保の扶養から外され自身で保険料を負担(従業員数500人以下は130万円まで)、年収141万円以上で配偶者特別控除から外されるなど、税金の負担が増えないようにあえて就業時間を減らす兼業主婦が多くなっています。
クレジットカードの審査では必ず収入を見ます。収入が多ければ多いほど有利になるわけではありません(若いのに超高収入といった不自然さがあると不利になることもある)が、それなりにあったほうが評価されるのは言うまでもありません。
当サイトで調査した「スコアリング評価の点数配分(年収)」によれば、年収200万円を下回ると審査で低評価をつけられる傾向があったため、主婦がクレジットカードの審査に苦労してしまうのはパート収入の壁が大きく影響していることがわかります。もちろん、年収200万円以下でも審査に通るクレジットカードはありますので、そういった審査が甘いカードを狙っていくことが今後大事になってくるでしょう。
クレジットカードの審査に通る主婦の属性
では、実際にクレジットカードの審査に通っている主婦はどのような属性をしているのでしょうか。審査に通りやすい方の特徴をまとめてみました。
本人に安定継続収入がある
クレジットカードの審査に最も通りやすくなる条件の一つが本人に安定継続収入があることです。安定継続収入とは、その名のとおり、安定的に継続した収入があること、つまり、定職に就いていて、毎月しっかりと給与を得ている方を指します。雇用形態的に最も安心できるのは公務員や正社員ですが、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトでも安定継続収入があると認められます。
安定継続収入があることは大きな武器になってきます。基本的に主婦の場合は、配偶者と合わせた世帯収入によって審査にかけられることになりますので、本人の収入の少なさはさほど気にしなくて大丈夫です。
一つ知っておきたいのは、本人に安定継続収入があると難易度が少し高いクレジットカードも選択肢になってくることです。安定継続収入がない専業主婦は、流通系など審査が甘いクレジットカードしか狙えなくなってくる場合がありますので、選択肢を広げるという意味でも安定継続収入があることは武器になってきます。
配偶者の属性が審査基準を満たしている
主婦でもクレジットカードを作れる最大の理由は、配偶者を頼りにすることができるからです。結婚しているという事実は生計を共にしている紛れもない証拠になりますので、配偶者の属性が審査基準を満たしていれば、たとえ専業主婦であってもクレジットカードの審査に通ります。専業主婦で収入がなくても配偶者と生計が一緒なので、滞りなく返済できる=返済能力はあると判断されるのです。
では、配偶者にはどのような属性が求められるのでしょうか。実は、そこまで厳しい属性を求められるわけではありません。一般的なカード審査に通るような属性であれば、問題ありません。“一般的な”というと少し抽象的に聞こえるかもしれませんので、詳しく言うと、18歳以上で安定継続収入があり、過去に金融事故を起こしておらず、現在、消費者金融や信販会社からの借り入れがない、といった属性であれば、クレジットカードの審査には通るものです。
クレジットヒストリーを構築できている
ここで一つ質問です。あなたは、過去にクレジットカードを作ったことはありますか。実は作ったことがあるかないか、が審査結果を左右する可能性があります。正確には、カードを作った後に使ったことがあるかないか、になります。
私たちがクレジットカードを使った履歴や返済状況は、個人信用情報機関に記録されます。クレジット利用履歴は実績として捉えられ、クレジットヒストリー(=クレヒス)と呼ばれています。過去にクレジット利用履歴があり返済が滞りなくできていると、クレジットヒストリーがしっかりと構築されている=信用があるとみなされ、審査に通りやすくなる傾向があるのです。
では、クレヒスはクレジットカードを使うことでしか構築できないのでしょうか。いえ、そんなことはありません。クレジットカードでしかクレヒスを構築できないとなると、クレジットカードを作れない人は今後もずっと構築できないことになってしまいますよね。それではクレヒスの意味がありません。
クレヒスはローン契約の返済などでも構築できますので、クレジットカードを持っていない方は、ショッピングローンを利用したりすると手軽にクレヒスを構築できます。数万円の品物をショッピングローンで購入して計画的に返済する、これでクレヒスを構築できます。後述しますが、スマホ契約なんかもクレヒスを構築するのに役立ちます。
クレジットカードの審査に通りにくい主婦の属性
クレジットカードの審査に通りやすい属性よりもむしろ、審査に通りにくい属性のほうが明確にわかります。これは主婦に限った話ではなく、多くの方に共通していえることですが、主婦の方がついやってしまいがちなことがありますので、チェックしてみましょう。
直近6ヶ月以内にカードを申し込んだ
クレジットカードの審査に落ちてしまうと次から次へと申し込もうとする方がいます。「え?それっていけないことなの?」とダメな理由すらわからない方も多いのではないでしょうか。
私たちがクレジットカードに申し込んだ記録は、信用情報を取り扱うCICやJICCといった個人信用情報機関に記録されます。審査結果に関わらず申し込んだ情報は記録されます。立て続けに申し込んでいる記録が見つかると、カード会社は「資金繰りに困っているのでは?」と判断して、審査に落とそうとするのです。お金のやりくりが苦手な方にカードを発行するのはリスクが大きい、と判断するわけです。
カードに申し込んだ記録は6ヶ月間残りますので、新規にクレジットカードの申し込みをする際は、前回の申込から6ヶ月=半年開けてからにしましょう。稀に前回申込から6ヶ月以内に申し込んでも審査に通る場合がありますが、主婦の方は特に属性に強みを持っているわけではありませんので、落ちる可能性が高くなるだけです。落ちたら追加で半年待たなければならなくなるので、それなら最初から半年待ったほうがいいです。
多重申込をした
立て続けに申し込むという意味では前節の状況が少し似ているのですが、多重申込は審査に落とされる大きな原因となってきますので注意が必要です。多重申込とは、一度に複数のクレジットカードに申し込むことです。A社に申し込んでA社の審査結果がくる前にB社に申し込む、というのがその一例です。
前節でも述べたように、カードに申し込んだ記録は個人信用情報機関に記録されますので、この例でいえば、B社はA社への申込記録を確認することができ、即座に審査に落とすことになるでしょう。では、A社はどうなるかというと、間髪入れずにB社へ申し込んでいるわけですから、A社もB社への申込記録を確認することができ、審査に落とそうとします。本来、A社のみで受かっていたかもしれないのに多重申込が理由で審査に落とされた、なんてことは十分にありえることです。特に主婦の方は、クレジットカードを一刻も早く作りたくてこのような行動をしがちな傾向があるので注意してください。
職に就いたばかり
定職に就くことはクレジットカードの審査において大きなプラス査定になってきます。定職に就くことは大事なことですが、勤続年数をしっかりと構築することも大事になってくることを覚えておきたいものです。
例えば、新卒採用された新入社員がいたとします。正社員で規模の大きな会社なのに新入社員という理由だけで審査に落とされてしまうことは実はよくあります。理由は単純で、入社2〜4ヶ月ほどでは信用度はまだまだ低いと判断されてしまうからです。入社する前は学生だったわけですから、2〜4ヶ月そこそこで信用度がグンッとアップすることはないのです。
主婦にも同じことが言えます。専業主婦から兼業主婦になることで信用度は多少上がりますが、パート歴2〜3ヶ月となれば、まだその段階では大きなプラス査定にはなってきません。評価されてくるのはせいぜい半年を過ぎたあたりからで、理想は1年、しっかりとプラス査定されるのは勤続年数2〜3年経った頃あたりからです。
ただ、これまでに何度も説明してきているようにクレジットカードの申込記録は6ヶ月で消えますので、時間を無駄にしないように6ヶ月を一つのサイクルとして申し込んでみるのはいいと思います。
今現在、借り入れがある
配偶者の収入が少なく生活がやりくりできない、なんてことは今の時代誰にでも起こり得ることです。そうなったときに借り入れ=借金を選ぶ方がいてもおかしくないです。ただ、借り入れはクレジットカードの審査において大きなマイナス査定になってくることを覚えておいてください。
借り入れが今現在あるのか、過去にあって今は完済したのか、この二つで評価が異なってきます。まず、今現在借り入れがある方は、当然のことながら評価は下がってしまいます。カード会社はいわば返済の肩代わりをする役割を担っていますので、借り入れをするような状況下にある方に低評価をつけてしまいます。特に消費者金融や信販会社(カード会社)からの借り入れがある場合は大きく評価を下げます。一方、銀行からの借り入れは、消費者金融や信販会社からの借り入れほど影響を与えにくいです。
過去に借り入れがあって今は完済した場合は、信用が回復しはじめています。ただ、その借り入れで延滞していないことが大前提です。延滞すると、いわゆるブラックリストに載ってしまうことになり、ネガティブな記録が5年間残ってしまい、その5年間はクレジットカードを新規に作ることが難しくなります。いずれの場合も、借り入れをした際は計画的に返済することが求められます。
過去に金融事故を起こしたことがある
カード会社が最も恐れるのは返済不能に陥り、貸倒になることです。返済不能に陥る方を見極める指標として過去の金融事故の有無が挙げられます。金融事故は、過去に借り入れをして延滞をしてしまったり、結果的に債務整理をした方をいいます。過去に金融事故があるとカード審査においては非常に大きなマイナス査定になってしまいます。
先ほども少し触れましたが、例えば、クレジットカードやキャッシングの返済が滞り、延滞すると完済日から5年間記録が残ってしまいますので、完済しないとこれらのネガティブな記録はずっと残ってしまい、長い間、クレジットカードを作れない事態に陥ってしまいます。自己破産の場合は10年間記録が残ってしまいます。
「お金を借りたことはないし私は安心」と安心される主婦の方は多いですが、主婦の方にとっても実は身近な問題です。というのは、スマホ契約でも同じことが言えるからです。昨今、スマホの購入には割賦契約と呼ばれる端末代を分割して返済する方法が用いられますが、実はこれはローン契約の一種で、月々のスマホ料金の支払いを延滞することで先述したような金融事故と同じ扱いを受けてしまうのです。スマホ料金をコンビニ払いなどにしていて、不本意で支払いが遅れてしまっても同じ扱いになるので気をつけなければなりません。
しかしながら、しっかりと完済すれば、いずれネガティブな記録は消えます。現在、定職に就いていて安定継続収入があれば、返済能力があると判断されますので、ネガティブな情報があっても永遠にカードが作れないわけではありません。カードを作るためには計画的に返済していくことが最も重要といえます。
主婦のためのカード審査通過テクニック
筆者は個人的に主婦の方がカード審査で冷遇されていると感じています。しかし、主婦ほどクレジットカードを必要だと感じるのではないでしょうか。例えば、日々の買い物。現金決済に1分かかるとすると、2日に1回の買い物を60年続けると10920分かかるので、人生のうち7日間+14時間を現金決済に費やしていることになります。これがクレジットカードならたった5秒で終わりです。小銭に煩わしさを感じる必要はもうなくなります。主婦の方に一刻も早くクレジットカードをゲットしてもらいたいので、最後に審査通過テクニックを紹介します。
入会資格を細かくチェックしてから申し込む
まず大事なのは、カード毎に異なる入会資格をしっかりとチェックしたうえで申し込むことです。例えば、入会資格に「定職がある方」と記載があれば、職に就いていない専業主婦は審査に通らないことになります。入会資格に該当しないカードに申し込むのは時間の無駄になるだけです。逆に「主婦」と明記されていれば、安心して申し込めます。
「安定継続収入がある」といった記載はよく見かけるのですが、この場合は、まだ安心できます。主婦の方は、配偶者の属性も一緒に見ていきますので、配偶者に安定継続収入があれば、審査に通る可能性があるからです。ただ、「“本人に”安定継続収入がある」と記載されている場合は、契約者本人に安定継続収入があることが求められるので、専業主婦の方は審査に通らなくなってしまいます。
他にもいくつか注意したい点があります。「日本在住で日本語の読み書きができる方」といった入会資格を設けたカードがありますが、この場合、外国人の方は厳しくなってしまうかもしれません。同時に「永住権をお持ちの方」といった記載がある場合もあります。「ヤングカード」は20代限定のカードを指す場合が多いので、20代以外は審査対象とならないことを覚えておきましょう。
キャッシング枠を設定できる場合は0にする
キャッシングとは現金を借り入れる機能のことです。キャッシングを付帯させるにはクレジットカードの審査とは別の審査が必要になっていて、審査が厳格に行われるため、キャッシング枠を設定することで審査は厳しくなってしまいます。言い換えると、キャッシング枠を設定できる場合は枠を「0」にすることでキャッシングを不要にすることができ、審査に通りやすくなります。
キャッシングは口座残高以上の現金を借りることができ、クレジットカードとは違って幅広い用途に使えるため、厳格に審査を行う必要があります。必要ない場合は、キャッシング枠を設けないようにして、不安な要素を取り除きましょう。これは主婦に限った話ではなく、全属性に共通したテクニックなので覚えておきたいところです。
流通系・信販系の一般カードを狙う
クレジットカードの選び方が実はすごく大事だということを認識してもらいたいものです。男女関係なくデザインでクレジットカードを選ぶ方がいますが、デザインで選ぶのはおすすめできません。例えば、アメリカン・エキスプレス・カードはシックでおしゃれなカードですが、国際ブランドが発行するプロパーカードになりますので、審査は厳しいです。他のカードなら受かっていたのにアメリカン・エキスプレス・カードだから落ちた、なんてことはよくある話です。
主婦の方は、流通系や信販系のカードを狙うのがおすすめです。流通系と信販系のそれぞれの区別の仕方から説明しますと、「流通系」はスーパーやコンビニ、百貨店、量販店、携帯会社などが発行しているクレジットカードを指し、「信販系」は信販会社(カード業務が主)が発行しているクレジットカードを指します。流通系と信販系は、銀行系や外資系などの他の系統に比べると審査難易度が低いので、属性に不安を抱える主婦の方には特におすすめとなっています。
その中から「一般カード」を選びましょう。クレジットカードには一般カード、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードがあり、ゴールドカード以上は厳格な審査が行われます。一般カードの中には「年会費無料」と「年会費有料」の2タイプがあります。年会費無料カードでもいいですが、年会費ビジネスに重きを置いているカード会社は意外と多いので、あえて年会費有料のカードを狙う手もあります。有料カードでも年間の利用金額に応じて翌年も無料になるタイプが増えているので、実はそこまで大きな負担になりません。
プラチナカードやブラックカードに関しては招待制のものが多いので、ここでは選択肢にすら挙がりません。ゴールドカードは近年は審査難易度が下がってきていますが、それでもまずは一般カードを狙うのが賢明です。
代用カードで我慢する
これは審査通過テクニックではありませんが、覚えておきたいテクニックとして最後に紹介しておきます。クレジットカードの審査に落ちたら、次回申込までの6ヶ月間はクレジットカードの代用カードで過ごすことを検討してみてください。
まず一つは「家族カード」です。家族カードは、契約者が審査に通過した本カードに審査不要で追加できるカードで、本カードと同じように利用できるのがメリットです。主婦の方は、配偶者に了承を得て、家族カードを発行してもらうことになります。数百円程度で発行できます。ただし、利用可能枠が契約者と同じ枠内になること、契約者に利用明細を見られてしまうのがデメリットとして挙げられます。
もう一つの選択肢が「デビットカード」です。デビットカードは、銀行口座と直結した決済カードでクレジットカード加盟店で利用でき、一定の審査はありますが、ほとんどの方が問題なく審査に受かるのがメリットです。残高以上の利用ができないので、使いすぎの防止につながります。高速道路料金やガソリンスタンド、電気料金など月々の固定費の支払いに使えないなど、一部制限があるのがデメリットです。
「プリペイドカード」という選択肢もあります。プリペイドカードは、事前にチャージした金額分のみ利用できる決済カードで、国際ブランドがついているものはその国際ブランドを取り扱っている加盟店で利用できます。デビットカードと同様、一部制限はありますが、最近ではデビットカードよりもポイント還元率が高いものがあるので、代用カードとして十分に役立ちます。